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■46 / 親階層)  屈曲隣地の問題点と解析法の提案2
□投稿者/ higa (2回)-(2009/10/10(Sat) 08:22:08)
https://www.com-sys.ath.cx/
     前回は、現状の隣地境界の高さ制限適合建築物の設定法では、敷地内にある建築物の部分が全て天空率比較が行われない事をお伝えした。

     今回は、なぜその様な仕様になったのかを検証したい。

    「平成14 年度建築基準法改正の解説」P79 において、
    F隣地境界線が2 以上ある場合には、それぞれの隣地境界線ごとにその面する方向における隣地高さ制限適合建築物を想定すること。この場合一部の隣地境界線についてのみ隣地高さ制限を適用除外する事はできない事。




    とある。このそれぞれの隣地境界線において、隣地境界線の解釈を敷地境界点間と解釈しその結果、その間で適合建築物を作成する手法を仕様とした行政が多いのではと考える。(豊中市では、出隅部分の隣地はまわり込み適用される。)

     このFの趣旨は、2以上の隣地境界線において、それらの一部の隣地境界線が斜線規制を越えている時には、「全ての隣地境界線において適合建築物を設定して天空率比較を行い、一部の隣地境界線のみ天空率比較を適用除外しない。」の意味でその隣地境界線を「敷地境界点間」と定義しているわけではない。

     つまり隣地境界線を定義するものではないと言う事です。念の為上図に関して補足しますと、算定線が配置された挿絵においては、整形敷地と変形敷地の算定位置を示すもので、敷地の中の適合建築物の作成法を明示するものではない。

     さらに言えばその前のページあたりに隣地の適合建築物が敷地の途中で切れた挿絵があるが、その様な仕様で作成する隣地適合建築物はどこも採用していない為にこの場合も判断されてないと考える。

     窮すれば通ず。資料をひっくり返し、隣地境界線の記述を探していたら建設省からの質疑応答集で隣地境界線に関する記述を見つけた。



     
     この記述は、「不整形(形がととのってない敷地)な隣地境界線」の斜線規制における後退距離のとり方を解説した回答だ。この場合「隣地境界線が不整形な場合、」内接近似した多角形で各辺ごとにみてよいとあり、そうでない場合近似せず連続して考えると読める。
     
      つまり、「隣地境界線は、基本的に連続する。ただし内接した多角形で合理的な範囲内でのみ多角辺に分解してそれぞれを隣地境界線とする事も可能である。」としている。

    ところで後退距離の記述だが、斜線規制においては、56条1−2で「当該部分」から隣地境界線までの水平距離とあり、建築物の部分の高さの規定における計算方法を書いており任意の境界線からの後退の記述はない。この事からもすべての前面道路以外の境界線までの距離が対象となる事がわかる。隣地境界線を任意の境界点間と特定しない事が当方では、自然な解釈ではないかと考えるがいかがでしょうか?。

    56条
    2.当該部分から隣地境界線までの水平距離に、次に掲げる区分に従い、イ若しくはニに定める数値が1.25とされている建築物で高さが20メートルを超える部分を有するもの又はイからニまでに定める数値が2.5とされている建築物(ロ及びハに掲げる建築物で、特定行政庁が都道府県都市計画審議会の議を経て指定する区域内にあるものを除く。以下この号及び第7項第2号において同じ。)で高さが31メートルを超える部分を有するものにあつては、それぞれその部分から隣地境界線までの水平距離のうち最小のものに相当する距離を加えたものに、イからニまでに定める数値を乗じて得たものに、イ又はニに定める数値が 1.25とされている建築物にあつては20メートルを、イからニまでに定める数値が2.5とされている建築物にあつては31メートルを加えたもの

     一方天空率においては、政令135−7項でまず「当該部分」が「当該建築物」に代わり、隣地境界線からの後退距離の定義を括弧書で記述している。

    「隣地境界線からの後退距離(同号に規定する水平距離のうち最小のものに相当する距離をいう。」

    一の隣地境界線には後退距離も一で対応する必要があるだろう。

    政令135−7
    2.当該建築物(法第56条 第1項第2号イ又はニに定める数値が1.25とされている建築物にあつては高さが20メートルを、同号イからニまでに定める数値が1.5とされている建築物にあつては高さが31メートルを超える部分に限る。)の隣地境界線からの後退距離(同号に規定する水平距離のうち最小のものに相当する距離をいう。以下この号において同じ。)が、前号の隣地高さ制限適合建築物と同一の隣地高さ制限適合建築物(同項第2号イ又はニに定める数値が1.25とされている隣地高さ制限適合建築物にあつては高さが20メートルを、同号イからニまでに定める数値が1.5とされている隣地高さ制限適合建築物にあつては高さが31メートルを超える部分に限る。)の隣地境界線からの後退距離以上であること。


    この記述に基づき今回の事案の天空率を検討してみよう。


    この場合、Cの屈曲した隣地境界を内接した線分で多角近似する為にCの境界線を延長すると、左下側の建築物が障害となり困難になるので、前面道路以外を一の隣地境界として検討してみよう。適合建築物を作成すると下図の様になる。

     


    一の隣地境界とすると、本来上図の様に入り隅部、あるいは道路側へはまわり込みが発生するが、煩雑になる為に下図の様に寄棟状に、勾配面を延長し作成した適合する形状で比較してみる。後退距離は、もっとも狭いBの前面の値を採用した。

    さて続きを書きたいところだが本日はここまでとしよう。

    次回は一の隣地境界で解析した納得の結果の解説です。おたのしみに! つづく・・・・

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