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■29 / 1階層)  とても素晴らしい内容の投稿ですo(*^▽^*)o~♪
□投稿者/ 独ターK (5回)-(2007/11/16(Fri) 14:23:11)
    2007/11/16(Fri) 14:37:21 編集(投稿者)

    JEMさん、こんにちは

    > 今、住宅の設計をどこに依頼するか迷ってます。

    とても難解ですが、とても良いことですね。

    > 知り合いの建築士(二級建築士)の方に色々相談しているのですが、
    > よく広告や雑誌に住宅専門の一級建築士なら大丈夫と書いてあるのが多く、
    > 知り合いの建築士に聞いたところ、住宅に必要とされる知識や能力等は
    > 一級だから良いなどの基準は無いよと言われました。

    全くその通りだと思います。
    本来、免許の1級、2級による技術力の高さや、意匠的能力の高さは専門分野に特化した内容と、その方の経験年数によっては少ないと思っています。
    ましてや、昨今問題になっている、建築士としてのモラル、施主に対する誠実さ、社会に対する誠実さに至っては、全然関係有りません。

    > そこで、ネットで一級建築士事務所に相談したところ、一級建築士の方が安心ですよと
    > 言われました。どうしてなのでしょうか?

    その方が主張された内容を全面否定することは不可能です。
    なぜなら、「安心ですよ」と言うことで、絶対ですよと言うことではないからです。
    私は26歳の時2級建築士で設計事務所を始めました。
    そして2年後、1級建築士資格を取得したとき、喜びもつかの間今の自分の持っている知識の状態で胸が張れるのかと不安になりました。

    それまでは、取引先の方達から、私が2級建築士だと解ると決まって出る話は「あなたは、1級以上の技術をお持ちだから...1級も2級も関係ないですよ」と褒め言葉のような、慰めのような事を聞かされていました。
    そして、試験が終わる度に「今年はどうでしたか?」と聞かれ、「やっと1級建築士に成れました」と言ったとき、帰ってきた言葉は「1級と2級はえらい違いだからねぇ〜!」と力を込めて言われました。
    この言葉の意味は沢山ありますが、私は「ほら!見たことか、やっぱり見下していたんだな」と感じたと同時に、私自体1級建築士になっても本質的なところはそれほど変わっていないことに気付いたのです。
    つまり、「あなたは、1級ですか?2級ですか?」と聞かれた時、「1級です」と答えられる嬉しさ反面、「な〜んだ、1級でもこの程度か!」と悟られるという緊張感が混在していました。

    それから、構造計算(今はソフトで出来ますが、当時は全て電卓片手の手計算でした)や現場の納まり、建築建材の知識、建築基準法やその他の法律、裁判の判例集、人様の作品などなど、勉強しました。
    もちろん、1級建築士受験のために勉強したことはとても為になりました。
    決して無駄ではありませんが、それはホンの一部にしか過ぎないと言うことです。
    本当に、1級建築士として資格に見合った勉強はそれから始まりました。
    私は、1級建築士という資格が、2級建築士の時感じた「建築士に必要な知識」の重さを、とても重たく感じさせられ勉強しました。

    その事だけで考えるなら、「安心です」という言葉に同調しますが、2級建築士で1級建築士資格取得を断念されている方の中には、「1級建築士に負けるモンか!」と、専門分野をより深く勉強されている人も沢山居られます。
    1級建築士の資格を持っていても、超高層ビルやマンション設計の経験だけで木造建築の経験の浅い方は残念ながら、木造住宅に関しては、短期間の中では頼りになりません。

    > 知り合いの方(二級建築士)も、随分色々な物件の設計をしており、デザインも
    > 面白いものも多くその安心の線引きがよく理解できません。

    理解できないのは、私も同様です。
    理解できる人は一人もいないと思っています。

    > 私個人の意見ですが、一級建築士を持っていて住宅専門にやっている方って、なんのために一級建築士になってるのでしょうか?

    この答えも沢山ありますが、ほんの一例です

    私の場合は、事務所を始めたばかりの時、鉄骨3階建ての縫製工場の仕事を頂きました。
    当然2級建築士でしたので、今では大問題ですが、1級建築士事務所の方にお願いして、確認を取っていただきました(実際の構造計算、設計図書作成、確認申請業務など全て私)。
    もうかれこれ、29年ほど立ちますので時効でしょうか?時効はあったのかな?
    つまり、木造だけしか仕事の依頼はないと思っていても、必ずやってくるのです。
    その度に、違法性のある申請をすることは出来ません。
    また折角来た、高額の設計料をみすみす他人に譲るなどバカげたことは出来ません。
    ですから、私は若い内に取るべきだと考えて受験勉強をしたのです。
    今この年になって、20代でチャレンジして良かったと思っています。
    今この年ではとてもあの難しい試験にパスすることは出来ません。
    余談ですがその後1級建築士でなければ設計監理が出来ない仕事を沢山紹介していただきました。
    「俺は2級建築士で十分だ」と思っている方がおられたら、是非とも1級建築士に何度もチャレンジしていただきたいと思います。
    試験勉強で得た知識は、必ず自分の物になり仕事の規模に関係なく沢山生かされていきます。

    > 大きな建物を設計するわけでもなく、住宅という同じジャンルで安心というものが一級・二級の分けで判断されるのは・・・。

    単純に1級2級で分けるのは誤りだと思います。
    それでも、その建築士の方がどの程度勉強をされたのか、今でもされているのかと言う目安の一部にはなるでしょう。
    ただ、「大きな建物を設計するわけもなく」と決めつけるのは、建築士として仕事をしている者にとっては問題なのです。
    建築技術の知識はとても多岐にわたっています。
    木造住宅専属建築士(こんな専門用語はありませんが)といえども、コンクリート、鉄筋、応力計算などなど多くの知識を必要とします。
    何処までが2級に必要で、これから先は1級しか必要ないなどという線引きも出来ません。
    また、ひょんな事から、1級建築士でなければ出来ない仕事が来たとき、昨年から騒がれている「名義貸し」という違法な業務に繋がりかねない場合もあるのです。

    > 知り合い建築士に言われたのは、二級の場合高さ等設計する場合制限があるから
    > その範囲を超えると一級でないと駄目だよと言われました。
    > でも、構造計算などの専門知識は実は他に頼んでるのが現状だよとも言われました。
    > その一級建築士がやってるんじゃないんですか?って言ってしまいました。

    現実の話ですね、そうだと思います。

    話はそれますが、姉歯事件以来、大型建築の構造計算をしている事務所の中に1級建築士資格を持たず業務をしている人が表面化し、今でもいるそうです。
    それが、何故いけないのか、私には十分理解できていません。
    これまで、設計に関しては設計者が全ての責任を取ることで業務が進められていたのですから、構造計算を行った人に資格があろうが無かろうが、図面を書いた人に資格があろうが無かろうが、設計者に資格が有り、責任があれば問題ないと思っています。


    > なんか、頼むのが心配で結局知り合いの建築士にプランやってもらうことにしました。

    素晴らしい結論だと思います。
    自分が信頼できる建築士に依頼することが最良の結論です。
    ただ全てお任せは厳禁です。

    > 建築士っていっぱいいるのに本当に理解されている人ってどのくらいいるのかな
    > と思う今日このごろです。

    医者が医者としての理解、公務員が公務員としての理解、代議士が代議士としての理解、教師が教師としての理解、子を持つ親が親としての理解、そして日本国民が日本国民としての理解がどのくらいいるのだろうかと言う問題と答えは同じです。
    建築士も同じ様に日本の風土気候で育ち、日本国の教育を受けた日本国民ですから。
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