HPGLPについて、作者のコメントです。

(この文章は圧縮ファイルの中にも入っていますので解凍後お読み下さい。)

------------- プロッターファイルをプリンターに出す HPGLP ver0.21 -------------

 前口上  ------

 JW_CADを使って主に電気関係の方面で利用させてもらっています。自宅に はレーザープリンターがあるのに、会社には無い。会社では専ら古いドットインパ クトプリンター(当然、プロッターも無い (^^; )を使用して図面を出図していま す。ほとんどこれで困らなかったのですが、JW_CADにランダム線だとか、ロ ング破線なんてものが在ると知ると、ぉおこれは便利だ使ってみよう…なんて事に なるのですが、プロッターではサポートされているのにプリンターでは×。それで は、JW_CADからプロッター出力をファイルに落として、このファイルをプリ ンターで出力するプロッターのエミュレータを書けばいいぢゃん。と、出来上がっ たのがこの HPGLP です。

 効能  ----

 漢字フォント無しのHPのプロッター(HP 7475A等)のエミューレートを行い、 各種プリンターで印字を行います。解像度の高いプリンターを使用すればその能力 をぎりぎりまで生かしたシャープな線で出図する事が出来ます。解像度の低いプリ ンター(一般に24ドットプリンターと呼ばれる類)では、残念ながらシャープな 線は得られませんが、OVER 180dpi プリンターに対応するために確保したバッファ ーを活かして、その分高速に印字出来るので我慢してね (^^;  ペンは1ドット幅から16ドット幅まで、線種は8種類使用可能です。また、線 種は32ビットのドットパターンで定義されているため、好みに応じて変更するこ ともできます。  通常は各種プリンターに出図しますが、ファイル出力も可能なため、モノクロベ タファイル読み込み可能なワープロならばそのまま、そうでないワープロでも適当 なツールで加工すればワープロ文書等に図面を張り込む事も出来ます。図版入りド キュメントやプレゼン用に JW_CAD の使用をもくろんでいた方はぜひトライしてみ てください。また、FAX 用に実尺度で出力したのベタファイルも作れるため、適当 なツールを使用して手持ちの FAXMODEM で扱えるデータ形式に変更すると高画質で 図面を FAX 送信する事が出来ます。

 準備  ----

 HPGLP???.LZH ファイルを解凍して得られる HPGLP.CFG ファイルをエディタで使 用されるプリンター環境に合わせて変更して下さい。  詳細は HPGLP.CFG ファイル中のコメントに書いてありますが、 必ず設定しなく てはならない部分は以下の数値です。  PRINTER=1 ~  でも、最初から HPGLPC.CFG ファイルをエディター等で修正するのって、ちょっ と勇気がいりますね (^^; そんなときは、 まずは引数を付けずに HPGLP を起動し て見て下さい。 A:\HPGLPRIN>HPGLP HP-GL plotter file print out program ver 0.** (**/**/**) usage: hpglp filename [option] option: -PRINTER=n 0:CRT,1:ESC/P24(15),2:NM24(15),3:PR24(15),4:ESC/P48(15) ( )

 -PRINTER= の行に1番から4番まで4種類のプリンターの名前が上がっています が、一般に入手しやすいプリンターならこの内の1番から3番までのプリンターの エミュレーションモードを持っているハズです。とりあえずは、この3種類の中か ら一つを選びます。 例えばプリンターのマニュアルに ESC/P-24J83 準拠と書いて あれば、ディップスイッチやメモリースイッチをこの設定にして、

 HPGLP -PRINTER=1 filename

 です。これでうまく印字できれば、安心して HPGLP.CFG に PRINTER=1 と設定す れば良いのです。

 PRINTER では使用するプリンターを番号で指定します。プリンターのマニュアル のどこかに書いてあるはずですが、 エプソンであれば ESC/P を(ESC/PSになって いる場合も ESC/P を選択の事、 ESC/PS で PR201 をエミュレートさせると解像度 差によるサイズの乱れが出る可能性があります)、 NEC純正であれば PR 系か NM 系です。プリンターの型番に PC-PR が付いていれば PR 系を選んで下さい。他 社のプリンターでは、これらのプリンターの互換機能をもっているはずです。  供給状態での HPGLP の扱えるプリンターは、 ESC/P(180dpi), NM(180dpi), PR201(160dpi), ESC/P(360dpi) いずれも15インチプリンター(136桁プリンター とも言う)のみですが、プリンターの機種にかかわる基本情報は HPGLPC でカスタ マイズ可能になります。 HPGLPC でカスタマイズする結果、現在動作が確認されて いるプリンターは、 ESC/P, NM, PR201 のいわゆる24ピングラフィックの他に、 解像度の高いプリンターとしてエプソンの MJ-1000, HG-5130, LP-8000, キャノン BJ NM 系360dpi, キャノン BJ ESC/P360dpi 互換, LBP-B406 等です。 動作確認は 取れていませんが、 HP のディスクジェットや各種レーザープリンター等にも対応 しているのでは無いかと思います。

 使い方  ------  HPGLP.EXE と同じディレクトリーに HPGLP.CFG を置いて下さい。 HPGLP.EXE は パスの通ったディレクトリーまたはカレントディレクトリーに置いて下さい。

 HPGLP [option] filename [option]

 ファイルには、 CAD 等が本来 HP-GL プロッターに出力するデータをファイル化 したものを指定します。 JW_CAD での使用方法は次項の「 JW_CAD での利用法」に 従って操作して下さい。    気軽に使いたい場合や、設定を色々と図面やプリンターに応じて切り替えたい場 合は、 HPGLP の支援ソフト HPGLPM を使用すると HPGLP に起動メニューが追加さ れるため便利です。    漢字フォントを高画質で出力する為には、プリンター側で座標指定可能、任意角 回転、任意サイズのフォントを持っている必要があり、残念ながら手持ちのプリン ターではこれに該当するような物は印字バッファーを1ページ分プリンター内に持 つレーザープリンターしかありません。 Windows, TeX からフォントを入手し利用 する事でフォントをパソコン側に置き、ビットデータに展開後プリンターに送る方 法もありますが、これは次版でのサポートを未定ですが予定してます (^^; JW_CAD 等で部分的にでも高品位な文字を必要(例えば図面の表紙等のタイトル文字や会社 名、事務所名等)とされる場合は、拙作 VF2CDN を使用して文字をポリゴンデータ として図面に書き込んで下さい。

 現在の HPGLP では漢字印字はサポートしていません。お使いの CAD ソフトがど うしても漢字出力の時に漢字をコードで出力するような場合は、図面での漢字の使 用は諦めざるをえません。 しかし、例えばJW_CAD では、プロッターに漢字を送る 際にプロッター側が漢字印字機能を持っていない場合は疑似線漢字に変換して送っ てくれるため、この機能を使って漢字も印字する事が可能です。  ANK 文字に関しては、HPGLP で持っていますが、色々とフォントの好き嫌いはあ りましょうし、気に入らない場合はフォントエディタ(HPGLPF.EXE)で好みに変更 して下さい。ただし、98版専用。DOS/V は持ってないのでごめんね (^^;

 通常、 設定関係は HPGLP.CFG に定義されているはずなので、起動時オプション は付ける必要はありませんが、例えばノートパソコンを使用している、プリンター 切り替え機を使ってる、ネットワーク(知らん知らん (^^; )を使っているという 場合、一時的にプリンタの設定を変えたいとか、使用するペンの幅を変えたいと言 う場合は、起動時にオプションを付ける事によって一時的に変更する事ができます。  起動時オプションは HPGLP.CFG に設定するパラメータと同じキーワードにハイ フンまたはスラッシュを付けて使用します。なお、起動時オプションは HPGLP.CFG ファイルでの設定を優先します。

 EX. 使用プリンターを第4プリンターに変更する場合  HPGLP -PRINTER=4 filename

 EX. ペン番号2のドット幅を1ドットにする場合  HPGLP -PEN2=1 filename

 ファイル名は1つしか指定できませんが、ワイルドカードを設定できます。複数 ファイルをワイルドカードで指定した場合、 ファイル切り替え時に LFEED が設定 されてあれば、改ページコードを送出するため、シートフィーダ等を利用して、図 面の連続印字が可能です。

 EX. カレントディレクトリーの拡張子が .PLD のファイルを連続印字  HPGLP *.PLD

 いわゆるプレビュア的な使い方を考え、画面上で印字結果を把握する事が出来ま す。HPGLP.CFG ファイルの CRT= に画面の解像度を設定しておくと、ほぼ実寸で印 字結果を見る事が出来ます。

 EX. 指定ディレクトリーのプロッタ出力ファイルを画面上で確認する  HPGLP *.PLD -PRINTER=0 -START=800

 印字中に、中止したい場合は、[ESC] キーを押すと止まります。

 JW_CAD での利用方法  -------------------

 JW_CAD のディレクトリーに HPGLP.JWP と HPGLP.BAT が存在すれば JW_CAD の 中から直接 HPGLP を起動する事が可能になります。これに関しては HPGLP 専用の メニューシステム HPGLPM のドキュメントを参照してください。

 プロッターファイルの調整を行うと、なお完璧です。

 使用するプリンターでの紙サイズに応じた印字範囲をミリ単位で測り、これを4 0倍した値を設定しておきましょう。印字するときに縮小する事も出来るため、手 持ちのプリンターにはかからない大きさの紙も一応設定していると便利です。  例えば、シリアルプリンターで印字すると、紙の上下部分(紙を縦置きでセット するとして)はプリンターのローディング量(上部分)と紙無し検出やプラテンの ホールド機構(下部分)の関係で印字不可になるかあるいはホールドが不完全にな り行送りの精度が出ません。左右は15インチプリンターの場合ならA3までなら 間違いなく全幅印字できるでしょう。  そこで、まず文書でも印字してみて上下の印字不可部分を見きわめます。例えば A4の紙の場合、縦横の長さは、おおむね 295mm × 210mm です。ローディングと ホールドの関係で上下が 15mm ずつ印字不可になるプリンターの印字可能範囲は、 左右もバランス良く 15mm ずつ狭く使うと 265mm × 180mm ですね。HPGLP.JWP の 設定では 1mm に相当するユニット数を 40 に設定してあるので、 この印字範囲を 40倍します。10600×7200 で HPGLP では座標原点は、用紙を横に見て左下を(0,0) とするため、この値を max_x と max_y に設定します。以下A3、A2と必要なら B版も自分のプリンターに合わせて設定してしまえば「 JW_CAD の画面では印字範 囲に入っていたのに…」と悔やみ、貴重な森林資源と時間を無駄にせずにすみます ね (^_-)v    EX. min_x = 0 0 0 '用紙左下のX座標 max_x = 11040 16158 23648 '用紙右上のX座標 min_y = 0 0 0 '用紙左下のY座標 max_y = 7721 11040 16158 '用紙右上のY座標 PS_NAME =A4,A3,A2 '用紙サイズの選択文字

 この例では JW_CAD からの用紙選択のディフォルトがA4になります。

 制約  ----

・プロッターの 1mm に相当するユニット数はディフォルトで40ユニットです。 プロッターの初期化に SC コマンドを使用するようなCADソフト(例えば  OrCAD とか…)の場合、座標系はプロッターの持つ基本ステップになるような  ので、こういう場合は、UNIT=1 等と設定して下さい。  ・プロッター出力ファイルを読み込んでから印字データに変更する関係上、展開 された線データはメインメモリーを使用する場合16000本以下まで、 EMS を利用できる場合は、EMS の空き状況に応じて確保されます。  ・作者はプロッターを持って無いため、プロッターコマンドを誤解してるかもし れません。 ・現状では、HP-GL コマンドの全てのコマンドに対応出来ていません。対応範囲 に関しては制限表 (HPーGL_P.DOC) を参照して下さい。  ・ADJUST* での印字補正を設定した場合、円弧描画に関して真円描画アルゴリズ ムから、楕円弧描画アルゴリズムに変化します。この為、ちょっぴり線が汚い (^^; かんべんしてね _(._.)_

 ま、いいか (^^;

 転載など  --------  

著作権は私、お昼寝(NIFTY:PDE01121)が所有しています。ネット間の転載等は自 由に行ってかまいません。転載の報告も必要ありません。しかし、通信以外のメデ ィアで扱う場合はご連絡下さい。  HPGLPF,HPGLPC でフォントデータやプリンター定義を変更した HPGLP のネット 上等、公共性の高い場所での二次配布は禁止とします。ただし、個人的な受け渡し の場合は自由に行って構いません。  HPGLP を使用した結果生じた障害に対して、作者は一切の責任を負いません。あ くまでも使用者の責任においてご使用下さい。しかし、実際に使用した結果、動作 上の不具合が発見された場合は、ご連絡ください。可能な限り、不具合の修正は行 う予定ですし、要望などある場合は内容によっては随時機能アップを行います。な お、サポートは基本的に NIFTY の FRACC のみで行い、メール等でご連絡をいただ いた場合等、FARCC 内の会議室で引用させていただく場合もある事をご了承下さい。  P使いの方でソースプログラムを見てみたいというような奇特な方がおられまし たら、FGALAM の LIB10 にて来るべきHDの破損に備えて (^^; ソース公開してお りますのでご利用下さい。

 できますれば (^^;  -----------------

 拙作のユーザーの方から、シェアウェア化してくださいとのメールを頂いたとき には、正直言って驚きました。もともと冗談から出たプログラム、個人的な必要に 迫られてチョコチョコっと作った物が原型だったもので、そういう事は全く考えて いなかった…しかし、実際公開してバージョンアップを行っていたりすると、私自 身が持ってはいない高解像度のプリンターの印字品位の話を聞くと自分でも印字し て見たくもなりまして… (^^;  そこで、シェアウェアというわけでもないのですが、もしも拙作を気に入って下 されるのでしたら、千円とか2千円とかその程度のご寄付をしていただけますと、 もうちょっと私のパソコンライフが充実するかなぁっと (^^;

 振込先  富士銀行 西川口支店  普通口座 1327028  ノムラ ヒロシ

 決して強制ではありませんからねっ、基本的にフリーソフトウェアです (^^;  バグ報告などレポートをくださった方はそれでもう充分です。それが何よりのご 寄付です _(._.)_

お昼寝 (PDE01121)

戻る