その他何でも掲示板
(現在 過去ログ2 を表示中)

HOME HELP 新規作成 新着記事 トピック表示 発言ランク ファイル一覧 検索 過去ログ

[ 最新記事及び返信フォームをトピックトップへ ]

■356 / inTopicNo.1)  受注方法
  
□投稿者/ 切実 (1回)-(2008/03/03(Mon) 17:29:37)
    はじめて投稿させていただきます。

    当方、意匠設計(主に住宅)をしています。
    突然でしかも漠然な質問ですが皆様、設計の受注ってどのようにしていますか。
    なにか良いアドバイス的なものがあればご教授願いたいです。




引用返信/返信 [メール受信/OFF] 削除キー/
■357 / inTopicNo.2)  Re[1]: 受注方法
□投稿者/ 独ターK (27回)-(2008/03/04(Tue) 05:16:55)
    2008/03/04(Tue) 12:28:34 編集(投稿者)

    切実さん、

    > 当方、意匠設計(主に住宅)をしています。
    > 突然でしかも漠然な質問ですが皆様、設計の受注ってどのようにしていますか。
    > なにか良いアドバイス的なものがあればご教授願いたいです。

    私の経験談です。
    決して、自慢話ではありません。
    結論から言いますと仕事は沢山頂きましたが、この年になってもお金は残りませんでした。
    でも、後悔はしていません。
    でも疲れました.....。

    私が設計事務所を始めたのは、26歳の2級建築士の時でした。
    事務所開設するときまでの仕事は主に木造、RC造の小規模な建築物の現場監督です。
    ちっちゃな会社の監督でしたし、それほど優れた先輩や、会社の教育システムがあったわけではないので、すべてが行き当たりばったりの仕事をしながらの勉強でした。
    だから、これら掲示板での私の過去の回答文脈に良く現れているとお感じの方もいらっしゃると思います。

    事務所を開設した当初の仕事は大工さんや工務店の下請けでした。
    「仕事下さい」となかなか言えない営業苦手の私は、監督時代の職人さん方からの依頼を何でも受けて細々としていました。
    初めての設計監理は250kmも離れた熊本県天草市(旧本渡市)友人の自宅の設計監理でした。
    本渡市の業者3社での競争見積でした。

    開設2年後大工さんが受注した住宅の増築設計の依頼が来ました。(これまでの2年間に外の仕事はしていますので、始めてきた仕事ではありません。)

    6帖一部屋の増築でしたが、一生懸命考えて設計しました。
    代願設計ですから、設計料は総額で10万円でした。
    その1年後、同じ大工さんが同じA施主からオートバイ新車販売の店舗新築工事を受注し設計の依頼が来ました。
    やはり代願設計で15万円でした。
    これも一生懸命しました。
    いくら手間を掛けても、暇でしたから時間が惜しいとも感じないし、設計料が安いのにバカらしいとも感じませんでした。
    仕事が有ると言うだけで、結構満足していました。

    28歳で念願の1級建築士の登録が出来、事務所も1級建築士事務所に成りましたでも、「だから!なに!」といった感じです。
    1級だからと言っても何も変わりませんでした。

    ところが、先ほどの大工さんとA施主が喧嘩をしてしまい、仲違いとなり、施主から「自宅が立ち退きになるけど、直接仕事してくれますか?」との話がありました。
    もちろん二つ返事でOKです。
    で、大工さんにその話をして、「こんなに言われたけど、やっても良い?」と了解を取りました。
    しかし、実際に第2回目の設計監理の仕事が始まったのはそれから1年後でした。
    でした。
    このころは代願設計や構造計算を見よう見まねで勉強しながら構造計算の下請(鉄骨やRC造4階建て程度で単純なラーメン構造や擁壁など簡単な物)もしてご飯を食べていました。
    暇だったから、建築知識は隅から隅まで読んで来るべき仕事に備えていました。
    代願の仕事も業者間での紹介で徐々に増えていましたが十分ではありませんでした。
    もちろん妻も働いてくれて、家計を支えてくれていました。

    先ほどのA施主の設計(鉄骨3階建ての店舗付き住宅)が出来上がりましたが、設計事務所の勤務経歴がないので、見よう見まねで10社による入札をしました。
    幸い、積算見積は監督時代にしていましたので、結構頑張って見積書のチェックをしました。
    初めての設計監理で、一部分離発注を行いましたので、施主のウケはとても良いものでした。
    結果として、そのA施主から工事中にB施主の貸事務所(鉄骨2階建て)の紹介と完成間近にC施主の店舗付き住宅(RC造3階建て)の設計監理の仕事を紹介していただきました。

    ところが、この2件の設計監理の業務の進め方にに対して、A施主から注文が付きました。
    当然その注文は私の主義に反する物でしたから私が断ったため、施主は怒りだし大変でした。

    その注文とは、A施主の店舗付き住宅工事を請け負って工事中の○組(福岡市本社の建設会社)が受注できるように内々に取りはからうようとの話です。
    A施主は○組も気に入っていたんですね。

    ところが私が断り、その○組が受注できなかった為、その夜中A施主は酒を飲み延々3時間怒鳴り散らしてきました。
    その時は、まだそのA施主の店舗付き住宅は工事中でしたので、工事期間中の打ち合わせの時はとても気まずい思いをしたのは言うまでもありません。
    電話があった翌日、「意に沿うことをせず、御免なさい」と誤りました。
    A施主は素面になると何も言わず、「田中さんの主義だから仕方ないさ!もう良いよ」と言ってくださいました。

    A施主の住宅の引き渡しも無事に済み、最後の設計監理料の集金の時、「ご迷惑をお掛けしましたので、設計監理料の最終金はいりません」と辞退したのですが、「それは困る、受け取ってくれ」と言われたので、お金は受け取り、もう一つ紹介してくださっていたC施主の店舗付き住宅(RC造3階建て)について「ご紹介いただいた○○さんの、お仕事は辞退させてください」と申し出ました。
    「何で?」と聞かれたので、「私にとって、ご紹介いただいたお客さんはご紹介してくださるお客さんと同じように大事なお客さんですから、この現場と同じように入札をして、条件にかなったところしか発注は出来ません。だから、また前回のように特定の業者が受注するように要求されてもお受けできません。私は自分の主義を曲げるつもりはありません」と申し上げました。
    すると、「もう良いよ、田中さんが頑固なのは良く分かったから、好きにして良い。もう何も言わないから」と言われたので、そのまま受注することになりました。
    C施主の設計が完了して入札を行ったのはさらに2年後でした。
    その時の見積業者は10社を超えていました。
    見積が提出されとその直後またA施主から電話が入り、「田中さん、わかっとるやろ?、○組が欲しいと言いよるから」との話でした。
    結局、○組は300万円の金額の差で受注出来ませんでした。

    またその晩、前回より酷く酔っぱらった、ろれつの回らないA施主から電話が入り、またしても3時間怒鳴りまくられ、「八幡では仕事が出来ん様にしてやる!」と言われました。
    執拗に「C施主の仕事は辞退しろ!」と言われ続けたため、我慢していた私も切れてしまいました。
    「解りました。明日○○さん事情を説明してお断りしてきます」と言ったら、「もういい!勝手にしろ!」と言われその場は納まりました。
    その時のA施主の怒りは絶頂に達していたらしく、二度と私を相手にしてくれませんでした。
    もちろんその話は、3年ほど封印していましたが、そのA施主が私のことを「タナカ設計はとんでも無いやつだ。特定の業者と癒着している」と言いふらしていることを、新たな施主から告げられたため、ことの成り行きを説明することになってしまいました。

    しかしこれらの出来事で、私の信用は絶好調でした。
    どんなことが起きても、自分が自分中心に自分のためになる判断を正確の行い、それに基づいて行動をすれば、アナウンスなどしなくても人様は見ていてくださると、私は信じています。

    その結果その界隈だけで14棟の設計監理業務のお仕事を頂きました。

    B施主からは2棟目の鉄骨2階建ての貸店舗と3棟目のご自宅の改装工事(改装工事と言っても工事費3600万円ですから設計料もデカイです)、

    ご紹介は、
    D施主の鉄骨2階建ての貸店舗、
    E施主の鉄骨3階建ての専用住宅(これは後にも先にも坪単価200万円の豪邸でした)

    B施主からは3棟の委託契約と紹介が2棟合計5棟

    C施主からは2棟目RC造2階建ての店舗新築、3棟目の鉄骨3階建ての店舗、4棟目の木造2階建て数寄屋風専用住宅(これも工事費坪単価150万円豪邸でした)

    ご紹介
    F施主の木造2階建て専用住宅、
    G施主のRC造3階建ての店舗・専用住宅、
    H施主のRC造2階建ての店舗付き住宅、
    I施主のRC4階建て店舗付き賃貸マンション、RC造4階建て店舗付き賃貸マンション、6階建て店舗付き賃貸マンション。

    C施主からは、4棟の委託契約と紹介が6棟合計10棟

    その他別のルートでのご紹介や、妻の雑談からご相談に来られたお隣さん、お向かいさん、ご近所さんが9棟(専用住宅新築5棟と増改築1棟、木造2階建てアパート3棟)等です。
    妻の友人の住宅改造から繋がった増改築工事4棟、新築3棟といった具合に妻の御陰の仕事は凄い物でした。

    話の自慢話のような長い話になりましたが、ほんの一例です。
    私の主義は、紹介する施主も紹介される施主も同じ大事な施主です。
    だから、紹介料はこの35年間1円も払っていませんし、また要求されたこともありません。
    紹介して下さった方へのお礼は、紹介された方からの紹介して下さった方への「良い設計士を紹介してくれて、有り難う」の言葉が最高のお礼だと信じています。

    施工業者に気に入られるより、施主に支持される設計事務所を目指してきました。
    成功だったと思います。
    施工会社からは、徹底的に嫌われ、その為、仕事はなくなります。
    でも施主の信頼は南極の氷のように厚くなります。

    また、相談を受けると、設計監理契約になる、成らないにかかわらず、すべのの方に無償でお話しをしていました。(今もそうです)

    何年も、相談にだけ来て、仕事は施工業者に出すという方もいましたが、それでも分け隔て無く時間を掛けて相談に乗って真剣に回答していました。
    来たるべく施主のために「何を、どの様に説明する必要があるのか」一種の予行演習のような物で、実践的な研修ですね。
    その時点でお金にならなくても、自分のためには成っています。
    これも財産の一つです。

    ここで回答してくださっている方々の多くは同じ様な精神で行って下さっていると思います。
    この精神が建築資料館で息づいています。

    このパターンだけではありません。
    まだ外の流れで頂いた設計監理の仕事もあります。
    お聞きになりたかったことが、この事なのか解りませんが、私はこうして設計監理の仕事を頂いてきました。
    この方法は、若い方には気が遠くなるほど時間が掛かりますので、果たして意味のあることか解りませんが、私はとても楽しく仕事をしてきました。
    でも、今は疲れ果ててしまい、情熱も冷めてしまいました。
    私は、ここらで一休みします。
    再開できるかは解りませんが、とにかく一休みです。

    因みに私は建築家ではありません。
    その様な芸術的センスは持ち合わせていません。
    私は施主が一生の住まいを作る大事業をお手伝いして、施主も私も満足できるお仕事をさせていただいている建築士です。

    ふぅ〜〜!疲れた!
    今日スターフライヤー最終便で羽田から無事に1時30分自宅に帰り着きました。
    お休みなさい。
引用返信/返信 [メール受信/OFF] 削除キー/
■358 / inTopicNo.3)  Re[1]: 受注方法
□投稿者/ 独ターK (28回)-(2008/03/04(Tue) 11:07:20)
    建築家タイプでお仕事を求められるのでしたら、建築家の公演を聞きに行くと大体見えてくると思います。
    私は、安藤忠雄氏、桐生満氏の公演を聞き成るほどと思いました。
    でも実践は出来ませんが心の整理は出来ました。
引用返信/返信 [メール受信/OFF] 削除キー/
■359 / inTopicNo.4)  Re[2]: 受注方法
□投稿者/ 切実 (2回)-(2008/03/04(Tue) 13:27:17)
    独ターKさんこんにちは。

    独ターKさんの軌跡がよく解りました。
    この経験談を一参考にしたいと思います。

    当方、家業ではなく士業として行っています。
    やはり自分の周囲(何かしらのつながり)からの依頼が大半に多いのですね。
    そしてそこからの枝分かれによって・・・

    それがコンスタントに続けば良いのですが、受注が全く無い期間もあると思うのですがその時はひたすら依頼が来るのを待てば良いのでしょうか。
    周囲に連絡してみるのもてではありますが・・・
引用返信/返信 [メール受信/OFF] 削除キー/
■360 / inTopicNo.5)  Re[3]: 受注方法
□投稿者/ 独ターK (29回)-(2008/03/04(Tue) 14:22:31)
    切実さん、こんにちは

    > 当方、家業ではなく士業として行っています。

    家業ではないと言うことは多くの所員を抱えての経営と言うことでしょうね。
    それなら大変ですね。
    私では解りません。

    > やはり自分の周囲(何かしらのつながり)からの依頼が大半に多いのですね。
    > そしてそこからの枝分かれによって・・・

    一言で言えばそうなんですが、そこまで持って行くのが難しいですね。

    最初の人は友達でも親戚でもありません。
    まして、熊本出身で北九州市での業務ですから、親戚も無く知り合いは普段の生活から営業は始まっていくのです。
    日頃の生活が如何に大切なのかと言うことではないでしょうか。

    家業でないのであれば、営業社員も必要になるのでしょうし、紹介を受けるための接待も必要なんでしょうね。
    私には想像が出来ませんので、場違いの回答だったと思います。

    もし一人事務所でご覧の方が居れれましたら参考にしてください。

    私の方法はただ一つ、萬屋です。
    「建築士だから建築事務所の業務以外の仕事はお断り、相談も受けません。」と言う姿勢、又は「私の専門外ですから、弁護士に相談したら如何ですか?」等と割り切っていたら、私の仕事は無かったと思います。

    借地借家法についての相談も受けましたしその問題解決のための行動もしました。
    でも仕事は代願でしたが借地借家法の勉強が出来たので後に大変役に立ちました。
    交通事故の後遺症のための損害賠償請求書の見積作成。
    建築トラブルでの調査報告書作成、裁判資料作成、裁判所への出頭証言すべて建築がらみですが、困っている人がいて相談をされたら、何でも首を突っ込みました。
    本も読みました。
    その結果、多くの成果が時間と共に現れてきました。

    > それがコンスタントに続けば良いのですが、受注が全く無い期間もあると
    > 思うのですがその時はひたすら依頼が来るのを待てば良いのでしょうか。

    木を植えて多くの枝葉が付かないと果物はなりません。
    焦らず、ゆっくり雑学を勉強することです。
    来る物拒まずと言うのも必要かと思います。

    > 周囲に連絡してみるのもてではありますが・・・

    何を連絡するかですね。
    「設計事務所しています。家を建てるときは設計監理させてください、お願いします」でしょうか?

    「建築の木」を植えただけでは客は集まりにくいでしょう。
    建築家のように作品を写真家にとって貰い、ひたすら雑誌に載る努力をするのも方法かもしれません。
    建築コンペに参加するのも一つの方法かもしれません。

    ただ私は、一見のお客さんの仕事は用心していますので苦手です。
    軽々しく業務依頼は受けないようにしています。
    だから、不器用な私はネットでの依頼、打ち合わせは苦手です。

    数ある仕事の中で、事務所に紹介も繋がりもない飛び込んでこられた方は3件ほど有りましたが、成約になったったのは1件だけです。
    その時の相談事は丁重に回答させていただいています。
引用返信/返信 [メール受信/OFF] 削除キー/
■361 / inTopicNo.6)  Re[4]: 受注方法
□投稿者/ 切実 (3回)-(2008/03/04(Tue) 16:03:14)
    独ターKさん、こんにちは。

    毎度貴重な意見ありがとうございます。

    >家業ではないと言うことは多くの所員を抱えての経営と言うことでしょうね。
    >それなら大変ですね。
    >私では解りません。

    説明不足ですみません。一人事務所です。
    士業といっても設計業務以外はお断りってことではありません。
    木造住宅の依頼があれば企画から現場監督までこなしています。

    >木を植えて多くの枝葉が付かないと果物はなりません。
    >焦らず、ゆっくり雑学を勉強することです。
    >来る物拒まずと言うのも必要かと思います。

    こういう期間があることによって、焦らない精神を鍛える期間
    が必然的に訪れたんだなと思うようにします。
    そしてこの期間で雑学の勉強もしてみたいと思います。

引用返信/返信 [メール受信/OFF] 削除キー/
■363 / inTopicNo.7)  Re[5]: 受注方法
□投稿者/ 独ターK (30回)-(2008/03/04(Tue) 17:47:04)

    > 木造住宅の依頼があれば企画から現場監督までこなしています。

    監督までですか?凄いですね。
    監督が出来るなら、分離発注をすると口コミの広がりは凄い物がありますよ。
    私が紹介した物件のほとんどが分離発注でした。
    ただ真面目、一生懸命だけではひろがらなかったと思います。
    最初のA施主の段階で一部分離発注をしたことで、ご商売されている方々が飛びついてこられたと言っても良いと思います。

    > こういう期間があることによって、焦らない精神を鍛える期間
    > が必然的に訪れたんだなと思うようにします。
    > そしてこの期間で雑学の勉強もしてみたいと思います。

    私は暇な期間は木材市場や建材展示場等や歴史建築物の見学などに時間とお金を使っていました。
    今でも木材市場に行くとワクワクします。
引用返信/返信 [メール受信/OFF] 削除キー/



トピック内ページ移動 / << 0 >>

このトピックに書きこむ

過去ログには書き込み不可

Mode/  Pass/

HOME HELP 新規作成 新着記事 トピック表示 発言ランク ファイル一覧 検索 過去ログ

- Child Tree -